現在本邦では、様々なタイプのタバコが販売されていますが、どのような種類があるか、それぞれの特徴をご存知でしょうか?このコラムでは皆様が種類と特徴を整理できるよう紹介していきます。
タバコの種類について
まずタバコの種類ですが、紙巻きタバコ、加熱式タバコ、電子タバコの3種類を理解すると良いと思います。中にはシーシャ(水タバコ)や葉巻を愛用される方もいますが、ここでは割愛します。
タバコの特徴を理解する際、たばこ葉を含有しているか、ニコチンを含有しているか、充填液を利用しているか、燃焼させているか、外部加熱装置を利用しているか、たばこ事業法の対象か等を意識していただくと良いと思います。
紙巻きタバコの特徴
例えば紙巻きタバコは、ニコチンを含むたばこ葉を加工して紙に巻いたもので、燃焼させて発生した煙を吸います。当然外部加熱装置はありません。コンビニエンスストアやドラッグストア等で売られている紙巻きタバコはたばこ事業法の対象となっており、販売会社がこの事業法の内容を遵守し、定められた原料から適切な製造工程で製造しています。また、販売者は広告表示にも注意を払う必要があり、健康影響との関係について消費者の誤解を生じないよう注意表示したものとなっています。
加熱式タバコの特徴
加熱式タバコは、2014年、フィリップモリスジャパンがアイコス(IQOS)を販売して以来、急速に普及しています。たばこ葉を加工した固体を発火点より低い温度で「加熱」し、発生したニコチンを含む蒸気を吸い込みます。燃焼しないので、煙や灰は発生せず臭いが少ないのが特徴です。充電式の加熱装置が必要となります。加熱式タバコもたばこ事業法のもと、たばこ製品として販売されています。
電子タバコの特徴
電子タバコは世界的には「VAPE(ベイプ)」と呼ばれ、たばこ葉と関係ないリキッド(合成液体)を加熱し、蒸気を吸引します。加熱式タバコ同様充電式の加熱装置が必要で、紙巻タバコのような形状をしたシガレット型や、比較的大振りな形状をしたタンク型など、さまざまなバリエーションが存在します。リキッドには、ニコチンを含むものと含まないものがあります。海外ではニコチン入りリキッドが販売されていますが、本邦では医薬品医療機器等法による規制により、ニコチン入りリキッドは販売されていません。ただ、個人輸入でニコチン入りリキッドを手に入れる方もいます。ニコチンを含まない電子タバコは、たばこ事業法のたばこ製品として対象とならないため、国内外多くのメーカーが参入し、数多くの電子タバコが出回っています。また、リキッドの中に有害物質が入っていた例や加熱装置の爆発事故も起こった事例もあり、消費者がリキッドと加熱装置の安全性を考えて購入しなければなりません。
以上、簡単ではありますがタバコの種類と特徴を述べてきました。次回機会がありましたらタバコの有害性にも触れたいと思いますが、有害性を理解するのにもタバコの種類と特徴を知っておく必要がありますので、是非覚えていただけたら嬉しいです。
河野陽介
有限会社MET(三気堂薬局グループ)
統括部長
薬剤師
薬の⾖知識や地域の元気を紹介したりと三気堂薬局がお届けする
体と⼼を元気にするコラムです。